セキュリティ 概要
セキュリティは、情報資産を脅威から守るための考え方と技術を学ぶ分野です。ITパスポート試験では最も出題数が多い最重要分野です。機密性・完全性・可用性(CIA)の基本概念から、サイバー攻撃手法、暗号化技術、認証技術、組織的・人的・物理的な対策まで、幅広い知識が問われます。この分野をしっかり押さえることが合格への近道です。
この章で学ぶこと
Section titled “この章で学ぶこと”- 情報セキュリティの概念 — 情報セキュリティの三大要素(機密性・完全性・可用性:CIA)と、真正性・責任追跡性・否認防止・信頼性を加えた7要素を学びます。
- 情報資産 — 企業や個人が守るべき情報資産の種類と、その管理方法を学びます。
- 脅威と脆弱性 — 情報資産を脅かす脅威(人的・技術的・物理的)と、それを可能にする脆弱性の関係を学びます。
- 攻撃者の種類・攻撃の動機 — サイバー攻撃を行う人物の分類(クラッカー、スクリプトキディ、内部犯行者等)と、その動機を学びます。
- サイバー攻撃手法 — マルウェア、フィッシング、DoS攻撃、SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティングなど、代表的な攻撃手法を学びます。
- 情報セキュリティに関するフレームワーク — ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)、サイバーセキュリティ経営ガイドラインなどの枠組みを学びます。
- リスクマネジメント — リスクの特定・分析・評価、リスク対応(回避・低減・移転・保有)の考え方を学びます。
- 情報セキュリティポリシー — 組織のセキュリティ方針を定める文書体系(基本方針・対策基準・実施手順)を学びます。
- 情報セキュリティ管理のための組織・機関 — CSIRT、SOC、IPA、JPCERT/CC、NISCなど、セキュリティに関わる組織・機関の役割を学びます。
- セキュリティに関する基準・制度 — プライバシーマーク、ISMS適合性評価制度、コモンクライテリアなどの認証制度を学びます。
- 人的セキュリティ対策 — セキュリティ教育、ソーシャルエンジニアリングへの対策、情報リテラシーの向上を学びます。
- 技術的セキュリティ対策 — ファイアウォール、IDS/IPS、WAF、DMZ、VPN、ウイルス対策ソフトなどの技術的な防御手段を学びます。
- 暗号化技術 — 共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式の仕組み、ハイブリッド暗号方式、デジタル署名、PKI(公開鍵基盤)、SSL/TLSを学びます。
- 認証技術 — パスワード認証、多要素認証、バイオメトリクス認証(生体認証)、シングルサインオン(SSO)などを学びます。
- 物理的セキュリティ対策 — 入退室管理、監視カメラ、セキュリティワイヤー、クリアデスク・クリアスクリーンなどの対策を学びます。
押さえておきたいポイント
Section titled “押さえておきたいポイント”- CIA:機密性(見せない)・完全性(変えさせない)・可用性(止めない)の三大要素
- 脅威(攻撃や災害)× 脆弱性(弱点)= リスク(損害の可能性)
- マルウェアの種類:ウイルス(宿主が必要)、ワーム(自己増殖)、トロイの木馬(偽装)、ランサムウェア(身代金要求)
- フィッシング:偽サイトに誘導して個人情報を詐取 / スピアフィッシング:特定の個人・組織を狙い撃ち
- SQLインジェクション:不正なSQL文を注入してデータベースを操作する攻撃
- DoS攻撃:大量のリクエストでサービスを停止させる / DDoS攻撃:複数の端末から一斉に攻撃
- ソーシャルエンジニアリング:人間の心理的な隙を突いて情報を入手する手口
- 共通鍵暗号方式:暗号化と復号に同じ鍵を使う(高速だが鍵の受け渡しが課題)
- 公開鍵暗号方式:公開鍵で暗号化し、秘密鍵で復号する(鍵の配布が容易)
- デジタル署名:秘密鍵で署名し、公開鍵で検証する(改ざん検知と本人確認)
- ファイアウォール:ネットワーク間の通信を制御する防壁 / DMZ:外部と内部の間に設ける緩衝地帯
- 多要素認証:知識(パスワード)・所持(ICカード)・生体(指紋等)のうち2つ以上を組み合わせる
- ISMS:組織全体で情報セキュリティを管理するための枠組み(PDCAサイクルで継続的に改善)
- リスク対応:回避(リスクの原因を排除)・低減(対策で影響を小さくする)・移転(保険等で他者に転嫁)・保有(受け入れる)
試験での出題傾向
Section titled “試験での出題傾向”セキュリティは毎回10問以上が出題される最多の分野であり、最重要分野です。サイバー攻撃手法の名前と内容の対応(フィッシング、ランサムウェア、SQLインジェクション等)、暗号化方式の違い(共通鍵と公開鍵)、認証技術の分類(多要素認証の3要素)は毎回のように出題されます。範囲が広いため、まず用語の意味を正確に覚え、次に攻撃と対策の対応関係を整理すると効率的に学習できます。